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歯周炎の種類について

こんにちは。世田谷区駒沢の駒沢大学付近にある歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。

今日は歯周炎の種類について説明します。

①慢性歯周炎

慢性歯周炎とは最も多いタイプの歯周炎で、発症時期は35歳以降が多く歯周炎は比較的ゆっくり進行します。日本人の成人の約8割程度がこの慢性歯周炎に罹患していると言われ、初期症状がないことからサイレントキラーと呼ばれています。

糖尿病やHIV感染や白血病などの全身疾患、また、タバコや、精神的なストレスも歯周炎を悪化させる要因となります。

②侵襲性歯周炎

歯周炎を除き全身的には健康ですが歯周組織の破壊が急速に起こることが特徴です。10歳から30歳代で発症する歯周炎です。一般的にははについているプラークの量は少ないですが、プラークの中の特殊な歯周病原菌細菌がこの歯周炎の発症に関わっていると言われています。家族や親戚の中で複数の人がかかることがあり、遺伝による体質も病気の発症の背景にあると考えられています。細菌を捕食することのできる白血球の働きの低下が影響していると言う可能性が指摘されています。

遺伝疾患に伴う歯周炎

全身的な異常を認める遺伝の病気の口腔内の症状として現れる歯周炎です。言い換えれば歯周炎を伴う遺伝性の病気です。家族性周期性好中球減少症、ダウン症候群、パピヨンルフェーヴル症候群、チェディアックヒガシ症候群、低アルカリホスファターゼ血症などで歯周炎が併発します。

歯周膿瘍、歯肉膿瘍

歯の周りの組織に膿が溜まって腫れた状態(膿瘍)は、できる部位および原因によって歯周膿瘍と歯肉膿瘍に分けられています。いずれも歯肉は赤く腫れますが、時に表面が白く見えたり、自然に腫れて膿がでてしまうこともあります。

同じような症状のものとして歯槽膿瘍がありますが、この膿瘍は歯の根の先の炎症が原因となって起こる別の病気です。

歯周膿瘍は歯周ポケット内の炎症が原因となり、膿が歯茎だけでなく、他の歯の周りの組織に溜まった状態をいいます。急性歯周膿瘍は急激に起こり腫れ痛みがともに強くなるのが特徴です。

慢性歯周膿瘍は腫れはあるものの、痛みなどの症状はありません。いずれの場合も麻酔をして切開し膿を出し、抗生物質を飲むか、あるいは膿瘍の中に直接抗生物質を塗ります。その後、原因となっている歯周炎の治療によって再発を防ぎます。

歯肉膿瘍は歯肉に動物の骨などが刺さるといった外からの刺激が加わり炎症を起こし、歯肉に膿が溜まってしまった状態をいいます。一般に歯周炎などの他の病気はありません。治療は原因となるものを取り除き、膿を出し症状がひどい場合は抗生物質による治療を行います。