入れ歯・義歯の診療
歯を失ったとき、「入れ歯にしたほうがいいのかな?」と悩むことがあります。
しかし、入れ歯は
・保険診療
・自費診療
それぞれ全く違う特徴があります。
また、どのような入れ歯を作りたいかも重要です。
例えば、使用している入れ歯のバネが前歯に掛かっていて見栄えがする場合は、歯茎と同じ色のバネを使うことで目立たなくすることができます。
使っている入れ歯が厚くて違和感がある場合は、金属を使うことで違和感を減らすことができます。
また、自分の歯を覆うタイプの入れ歯を作れば、見た目も良く、安定感のある入れ歯を作ることもできます。
今使っている入れ歯に不安がある方は、ぜひご相談ください。
まずは、患者さんのご希望をお聞きした上で、診断を行い、どのような入れ歯を作るかを決めていきます。
保険診療入れ歯の特徴
保険適用の入れ歯は、どこで治療しても、日本全国の歯科医院で使用することができます。
・同じ治療費
・使用できる材料に制限がある
・治療内容が一定の範囲に限定される
といった特徴があります。
部分入れ歯(プラスチック+金属)
取り外し式部分入れ歯は、少なくとも1本の歯が残っているときに装着する入れ歯です。
プラスチックや金属の金具で失った歯を補います。
手術が必要ないため、治療の負担が少ない
痛みが少ない
寿命が短い(メンテナンスが4~5年程度しかもたない)。
噛む力が自分の歯に比べて40~50%程度低下する(臼歯がなく歯数が少ない場合)。
入れ歯の周りの顎の骨の量が減るため、口の中全体の歯の寿命が短くなる。
経年劣化や痛みを感じやすい
総入れ歯(プラスチック)
総入れ歯とは、歯が残っていないときに装着する入れ歯です。
すべてプラスチックでできています。
手術に加えて、口の中の歯を削る必要がないので、治療の負担が少ない、虫歯になりにくい。
入れ歯が分厚くなり、違和感を感じやすくなります。
外れたり、舌の状態が悪くなることがある。
顎の骨の量が大幅に減るため、頻繁に修理や補修が必要になる。
経年劣化や痛みを感じやすい
自費診療入れ歯の特徴
自費診療の入れ歯の相場は、約15万円~80万円です。(部分入れ歯、総入れ歯を含む)。
自費診療には、保険診療のような統一されたルールや制約がないため。
歯医者
治療範囲
入れ歯の種類
地域(立地条件
などによって、治療費が大きく変わるという特徴があります。
金属床の入れ歯
金属床の入れ歯とは、歯ぐきに触れる部分が金属でできている義歯のことです。
曲がりにくい素材なので、取り外し式の部分入れ歯でも周囲の歯に負担がかかりにくい。
熱伝導率が高いため、食べ物や飲み物の温度を感じやすい。
入れ歯の材料として、長持ちさせやすい。
安価な金属床は金属アレルギーになりやすい。
安価な金属床は重く、落ちたり外れたりしやすい。
自費診療の入れ歯の中でも料金が高い
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーとは、「金属のバネがない」入れ歯のことです。
軽くてフィット感のある素材なので、外れにくいです。
金属アレルギーの方でも安心してお使いいただけます。
壊れた場合の修理が困難である。
治療範囲が広い場合、曲がりやすい。
保険の入れ歯と自費の入れ歯の大まかな違い
結論から言うと、品質(噛みやすさ、審美性、安定性、耐久性など)を求める方は、自費診療の入れ歯を検討されることをおすすめします。
一方、質よりもコストを重視したい方は、保険診療用の入れ歯の方が満足度が高いでしょう。
ただし、どのような治療方法を選択すべきかは、患者さんのお口の中の状態に大きく左右されます。
また入れ歯の他にインプラントという治療方法もあります。
患者様にとって最適なプランをカウンセリングで決めていきます。
他院での説明に納得がいかない場合は、セカンドオピニオン(他の歯科医師の話を聞くこと)を利用するのもOKです。
入れ歯制作の流れ
型取り
患者さん一人一人に合った型を作るためのトレー(個別トレー)を作るために採取します。
また、入れ歯をどのように設計するかの診断・診断にも使用されます。
精密印象
より精密な型取りのために個人トレーを使用します。
基本的にはこの型取りで作った模型を使って義歯を作ります。
噛み合わせ採得
上下の模型だけでは入れ歯は作れません。上顎と下顎の位置関係を知る必要があります。
その位置関係を記録・再現するために行うのが噛み合わせ採得です。
型取りで作った模型に、噛み合わせ採得のための装置を作り、患者さんのお口の中に装置を入れて記録していきます。
その記録を使用して、その位置関係で義歯を作り始めます。
入れ歯への適合性の検討
入れ歯を作るには、柔らかいワックスにプラスチックの歯(人工歯)を並べることから始めます。
並べた人工歯が患者さんに合っているかどうかを確認するために、入れ歯の試作(ワックスデンチャーの試作)を行います。
噛み合わせに問題がないか、前歯が自然に並んでいるかを確認します。
模型とお口の中には多少の誤差がありますので、その場で修正する場合もあります。
問題がなければ、ワックスを義歯材料に置き換えて義歯を完成させます。
入れ歯のセット
出来上がった入れ歯は、ワックスと義歯材料を入れ替える際に、若干の寸法変化があるため、再度調整する必要があります。
また、口の中には歯茎が薄い部分や骨が出ている部分があり、少し噛む力でも痛みが出る部分があります。
そのため、入れ歯をセットする際やしばらく使用している間に調整します。
また、患者さんが入れ歯に慣れるまでは、最初は使いづらいかもしれません。