大切な歯を一生守るために~予防歯科・定期検診~
かつての歯科医の役割は、発生した虫歯や歯周病を治療することでした。
しかし、それでは歯や歯茎がどんどん傷んでいきます。
いずれ歯を失うことになります。
そこで、近年では予防の重要性が見直されています。
「虫歯になる前に」「歯周病にならないように」予防する。
それを可能にするのが、予防歯科の定期検診です。
当院では予防に力を入れ、さまざまなプロフェッショナルケアで大切な歯を守ります。
当院の様々なプロフェッショナルケア
当院の予防歯科では、患者様のお口の健康を維持するために、様々なプロフェッショナルケアを行っています。 定期検診の際に、歯科医師によるお口のチェックを行い、必要に応じて適切なケアをご提案します。
プロケア1:歯面研磨ペースト
当院では、歯の表面を研磨する際に、研磨粒子の異なる3種類のペーストを使用しています。 審美性を高め、プラークの付着を抑え、ペーストに含まれるフッ素が虫歯の予防に積極的につながる効果があります。
プロケア2:MIペースト
初期むし歯は、歯の表面にあるエナメル質のミネラルが溶け出して白くなり、内側から脆く弱くなっています。
その部分に失われたミネラルを直接補給することで、歯の深部に作用して再石灰化の速度を速め、虫歯を治すことができます。
ここで使用するミネラル源は、牛乳由来のタンパク質の分解物であるカゼインホスホペプチド(CPP)とアモルファスリン酸カルシウム(ACP)の複合体である「MIペースト」です。
アモルファスリン酸カルシウム(ACP)は、歯を構成するミネラルがカゼインホスホペプチド(CPP)によって安定化されたものです。
CPP-ACPは高濃度のカルシウムとリンを供給する。フッ素が含まれているため、MIペーストの効果をより高めることができます。
MIペーストがおすすめの方
- 虫歯になりやすい、虫歯が多い方
- 柔らかい歯の方
- ホワイトスポットが見られるの方
- 知覚過敏の方
プロケア3:フッ素
むし歯菌が放出する酸が歯の内部のカルシウムなどのミネラルを溶かし、密度が低くなった初期むし歯のこと。
穴が開く一歩手前の状態ですが、フッ素で歯の再石灰化を促進することで回復させることができます。
歯の再石灰化とは、失われたミネラルを補充して結晶化させることです。
フッ素には、再石灰化の速度を速めたり、ミネラルが流出するのを防ぐ効果があります。
フッ素の安全性に疑問を持つ人もいますが、実際には地球上にはたくさんのフッ素が存在しています。
例えば、緑茶や紅茶に含まれるフッ素の量は100〜500ppm。実際に飲んだときの濃度は0.2〜1.0ppmです。
プロケア4:ポケットの中のクリーニング
歯周ポケットの内側に付着したプラークやバイオフィルムは、スケーリングを行っても完全に除去することはできません。
そこで当院では、歯周病治療におけるメンテナンスとして、下記の消毒薬を用いたポケット内洗浄を行っています。
ポケット内洗浄とは、歯周ポケット内を殺菌剤の溶液で直接洗浄する方法です。歯周ポケット内を殺菌することで、環境が整い、状態が改善されます。
プロケア5:ティースクリーニング
きれいに磨いているつもりでも、歯にはたくさんの汚れがついているものです。
染め出し液でチェックすることで、磨き残した部分が明らかになります。
いつもきれいに歯を磨いているつもりなのに、染色液で染めると汚れが残っていることがわかります。
「ティースクリーニング」は、そんなブラッシングでは取り除けない汚れを取り除きます。歯の表面や歯と歯の間、歯周ポケットに付着している頑固なプラークやバイオフィルムは、超音波で簡単に除去できます。
これらの汚れを放置すると、虫歯や歯周病の原因になります。今はまだ問題がなくても、1~3ヶ月に1回はティースクリーニングを受けてみましょう。
適切な歯磨き粉のために
歯周病の直接の原因はプラークであるため、歯磨き粉でプラークを除去することで歯周病を予防することができます。
しかし、歯垢は強く磨いたり、長時間磨いたりするだけでは完全に除去することはできません。
強く磨いても取れず、歯や歯ぐきを傷つけてしまうこともあります。
歯列の状態は人それぞれなので、適切なブラッシング方法も人それぞれです。
毎食後にきちんと歯磨きをしているのに、虫歯や歯周病になっている場合は、歯磨き方法に問題がある可能性が高いので、歯科医院で直接歯磨き指導を受けてください。
歯ブラシの毛先を直角(90度)に歯と歯茎の境目に軽く当てて、軽く振動するように力を入れずに少しずつ磨きます。力が強すぎると毛先が開いてしまい、うまく磨くことができません。
歯ブラシを鉛筆のように軽く持ち、上下だけでなく横にも動かしてみましょう。
一定の方向で磨くと、磨けない部分が出てくるので、上下左右均等に磨きましょう。
毛先が開いている歯ブラシは使えませんので、歯ブラシを裏から見て毛先が出ていたら交換しましょう。
自分では完璧に歯を磨いたつもりでも、歯垢を完全に除去できていない場合が多いので、きちんと歯垢を除去できているかどうかを客観的に確認するために、「歯垢染色剤」を使う方法もあります。
そこで、「歯間ブラシ」や「デンタルフロス」を使ってみましょう。
最近の電動歯ブラシは性能が非常に良く、普通の歯ブラシで磨くよりも歯垢が取れる確率が高いので、積極的に電動歯ブラシを使ってみるのも良いかもしれません。
最近人気の歯垢除去性能の高い音波式電動歯ブラシは、普通の歯ブラシでは届かない歯間の歯垢を、手ではできない高速振動で除去できるので、虫歯になりやすい方 歯周病の方は試してみる価値があると思います。
最近はいろいろな種類がありますので、自分の好きなものを選ぶか、当院おすすめのチェックアップスタンダードを使うのがよいでしょう。
日常生活での予防方法
また、食べ物をよく噛むことで歯周組織を強化することができ、歯周病の予防にもつながります。現代人の中でも、日本などの先進国の人は柔らかいものを好む傾向があるので、虫歯や歯周病になる人が多く、柔らかいものを食べない国の人は虫歯になることが多いと言われています。
また、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができるので、肥満や糖尿病の予防にも関係してきます。
硬いものを積極的に食べることや、ご飯をよく噛む習慣をつけることが効果的ですので、食生活を見直し、よく噛むことを心がけましょう。
正しい歯磨きや歯科医院での治療を行っても、生活習慣を見直さない限り、歯周病を予防したり、完治させることは難しいのです。
健康な体を維持するためには、食生活も非常に重要です。
歯垢は糖分で育つため、糖分の多い食事を続けていると歯周病のリスクが高まります。
また、歯周病は糖尿病と密接な関係がありますので、糖尿病になりやすい高カロリーで脂肪分、糖分、塩分の多い食事は避けましょう。
歯周病を予防したり治したりする食べ物はありません。
食べ過ぎや偏った食事に注意し、アルコールの摂取を控え、バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。
つまり、歯周病菌に感染しやすくなり、歯周病のリスクが高まるのです。
睡眠不足はストレスの原因となり、体にさまざまな悪影響を及ぼすため、歯周病にも大きく関係しています。
まず、ストレスによる抵抗力の低下により、歯周病菌の影響を受けやすくなります。また、ストレスの蓄積により、睡眠中に無意識のうちにブラキシズムを起こしたり、歯を強く噛んだりすることが多く、歯周病の進行を加速させる可能性があります。
現代人の睡眠不足やストレスは深刻化しています。歯周病のためだけでなく、健康な体を維持するためにも十分な睡眠をとり、ストレスを溜め込まず、できるだけ早く解消するようにしましょう。
タバコは歯周病の症状を悪化させるため、タバコを吸っている限り、症状は回復しないと言われています。
歯周病の予防や回復を目指すのであれば、禁煙することが望ましいと言えます。