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犬歯の役割について
こんにちは。世田谷区駒沢の駒沢大学付近にある歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は犬歯の役割について説明いたします。
犬歯とは前歯と臼歯の間にある歯で、前から数えて3番目にあります。
なぜ犬歯と言うかと言うと、犬でよく発達しているため犬歯と言われているそうです。また歯の先端が槍のように尖っていることから尖頭歯とも言われています。
また糸を切るときに使うことから糸切り歯とも呼ばれています。
犬歯といえば肉食の動物が食べ物にかぶりついて切り裂くと言うイメージがあるかと思います。
しかし、その一方で重要な役割があります。
犬歯は他の歯よりも根っこが長く、強度があるため顎を前後左右に動かしたときの力の負担を1番してくれる歯になっています。
犬歯が主体となって噛み合わせの力を負担してくれたり、顎を動かすときに犬歯が力を流し、顎の動きを誘導してくれることを犬歯誘導といいます。
犬歯誘導があることによって他の歯の負担は軽くなり他の歯の寿命が長くなると言われています。
人間の歯並びにおいてこの犬歯誘導があるかないかと言うのは非常に大事なポイントとなってきます。
犬歯誘導は別名カスピッドプロテクテッドオクルージョンといいます。
犬歯誘導(カスピーッドプロテクテッドオクルージョン)が行われない噛み合わせでは、奥歯に横方向からの力が強くかかってしまいます。この状態のことを咬合性外傷といい、次のような症状が出てきてしまいます。
・奥歯に頻繁に知覚過敏が起こってしまう。
・奥歯が破れてしまったり亀裂が入ったりしてしまう。
・力が強くかかるので奥歯から歯周病が局所的に進行してしまう。
・咬合性外傷より奥歯がぐらぐらしてきてしまう。
・顎関節症になってしまう。
などがあります。
ある研究結果では全く噛み合わせとして犬歯誘導ができていない噛み合わせの方に関しては、ほとんどの方が総入れ歯になってしまうと言うショッキングなデータもあります。
それほど日々の噛み合わせの力というのは歯にとって有害なものとなってしまうのです。
犬歯誘導がない方に関しては歯科矯正で対応できれば矯正してもらって歯並びを根本からなおし、犬歯に噛み合わせの負担を持たせるようにすることも可能です。見た目の改善だけでなく歯の寿命を長くすることができます。
歯科矯正以外にも治療法はあります。対症療法となってしまいますがマウスピースなどを作り有害な力が奥歯にかからないようなマウスピースを作成するのも効果的です。
まずは歯医者に歯並びなどを見てもらい、自分の犬歯の位置をみてもらいましょう。
もし、自分の犬歯がきちんと犬歯誘導の役割を果たしていない位置にある時などは歯医者に相談するのが良いでしょう。