駒沢大学駅徒歩5分の歯医者「駒沢歯科・矯正歯科クリニック」

医院ブログ

根管治療で使う設備、器具、薬剤について

こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は根管治療に使う設備や器具や薬剤について説明します。

根管治療とは歯の根っこの管をきれいにする治療となります。根管治療(歯の根っの治療)は非常に細かい作業でまたできるだけ無菌の状態が必要なため様々な設備や器具を使用する治療になります。

~設備~

~マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)~

マイクロスコープとは歯科用の顕微鏡です。肉眼ではみえない虫歯や根管内の汚れを約3倍から30倍程度にまで拡大して治療が行える機械です。つまり肉眼やルーペでは見えない根管内の汚れ、感染源を取り除くことが可能です。従来の根管治療はレントゲンや経験とカンを頼りに手探りで治療を進めている状態でした。そうすると汚れや感染源が見落とされ再治療になる場合が起きてきてしまいます。

また根管治療は診断するときも肉眼では見えないので難しくなってきます。例えば根管内で折れてしまった器具の発見、肉眼では見えない破折線など診断にも役に立ちます。また根管内で折れてしまった器具を取るにはマイクロスコープで直視できる状態で折れてしまった器具の先端をとっていきます。また歯が折れてしまうことによる破折をマイクロスコープで確認しながら破折線を直視しながら薬(MTAセメント)で埋めていきます。

このようにマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)は根管治療において効果を発揮します。アメリカでは根管治療を専門に治療を行う歯科医師を教育するときにはマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の使用が一般的になっています。

また上の奥歯にはMB2と言う肉眼では発見が難しい根管が約90%の確率で存在しています。さらにその形態は様々です。マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)ができる前までは60%の確率で存在していると言うデータがありました。しかしマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の普及によりMB2の発見率が30%も上がりました。つまりデータからもマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)が根管治療には必要だということです。

これらのことによりより精密な根管治療が行えるようになります。精密な治療が行えると根管治療の成功率が高くなります。根管治療の成功率が高くなると歯を残せる可能性が高くなり歯の寿命が長くなります。

~歯科用ルーペ~

歯科用ルーペとは歯科用拡大鏡のことです。肉眼では見えなかった根管口などを見つけるのに適しています。肉眼で根管治療を行うのと比べより確実な治療を行いことができ、根管治療の成功率が高くなるため歯を残せる可能性が高くなります。

~歯科用CT~

歯科用CTは従来のレントゲンと違い、歯を立体的に撮影することができます。歯の根っこの中は複雑に入り組んでいます。肉眼では見えないような歯の根っこの管をCTにより発見することができます。

また診断にも使用します。歯が破折した時にみられる破折線は肉眼や従来のレントゲンでは確認できないのがほとんどです。歯科用CTでは歯牙の破折などを正確に診断することができます。

~根管長測定器~

根管治療をうけたことがある方には記憶にあると思いますが、根管治療中に「ピーピーピー」となってる機械があります。それが根管長測定器になります。なにを目的で使っているのかというとこの根管長測定器で歯の根っこの長さを測っています。根管治療は歯の根っこの先端まで器具や薬剤によりきれいにする治療です。そして根管治療が進み歯の根っこがきれいになったら根管充填といって根っこの先まで薬をいれます。根管治療において根っこの先端まで緊密に薬を決められるかどうかで歯の予後がかわります。よって歯の根っこの長さ(根管長)を正解に測れるかどうかは根管治療では大変重要なポイントになってきます。

~器具~

~ニッケルチタンロータリーファイル~

ニッケルチタンファイルとは歯科治療の根管治療で使う器具です。従来のステンレスファイルと比べ高い弾性があるため、根管治療を本来の歯本来の根っこの管にそってきれいにすることができます。弾力性があるため湾曲根管の治療に適していて根管の追従性に非常に優れているのでエンジンと繋ぐことで電動式の根管治療を可能にしました。また従来のステンレスファイルではステップといって根っこの管に段差をつくってしまい、そのあとの根管治療がその段差により器具の到達がわるくなってしまうことがあります。ニッケルチタンファイルは追従性に優れているためこのステップをつくりにくいのもメリットの一つです。エンジンとニッケルチタンファイルを使う根管治療はアメリカでは一般的となっていますが、日本では2割程度しか普及されてるのですません。

~ラバーダム~

根管治療には無菌的な処置が必須になってきます。根管治療に際して無菌的な処置をするためには根管に唾液や呼吸に含まれる細菌を入れない。そして滅菌された清潔な器具を使うのが大事になってきます。

根管の中に唾液や呼吸に含まれる細菌をいれないためにはラバーダムが必要になってきます。ラバーダムはお口の中から治療する歯をゴムのマスクで隔離して、細菌をなかに入れないようにする器具になります。呼吸の中の細菌からも守ってくれます。苦しいように見えましたがゴムの力で口を開けるのが楽になるので装着感はあまり気にならないです。ただ口呼吸がしずらくなりますので鼻呼吸が苦手な方は苦しいと思うかもしれません。ただ基本的にメリットがほとんどであまりデメリットはないといえます。

しかし、日本ではラバーダムを使用した根管治療は普及していません。初めて神経を取る歯の成功率は日本では50%から60%なのに対し、ラバーダムが普及しているアメリカでは95%に上ると言う研究もあります。これだけでもラバーダムが根管治療において重要であると言うことがわかります。

~薬剤~

~MTAセメント~

MTAセメントとは1998年にアメリカで使われて始め、日本では2007年から販売を開始した歯科用のセメントになります。MTAセメントの特徴としては水と反応して膨張し封鎖性が高いことから虫歯が神経や血管に到達した歯、破折してひびがはいってしまった歯の亀裂を封鎖するために使用します。

MTAセメントは殺菌作用があり、人体に無害で封鎖性に優れています。

ただ薬剤代が非常に高価でまたMTAセメントを使うためにはマイクロスコープやラバーダムといった器具が必要となってきます。そのため保険外治療になってきますがMTAセメントを使うことにより歯の寿命を延命し、抜歯症例となった歯も保存できる可能性が高まります。

~次亜塩素酸、EDTA~

根管治療では根管に細菌が感染しています。その感染を除去するために機械的清掃と科学的清掃をしていきます。機械的清掃は先述したニッケルチタンファイルや従来のステンレス製のファイルでおこないます。しかし根管の中は複雑に入り組んでおり細かい枝分かれの部分まで機械的清掃が行き届かないところが出てきてしまいます。

そこで薬剤による消毒も併せて行っていき機械的清掃では行き届かない部分も殺菌、清掃していきます。次亜塩素酸ナトリウムはキッチンハイターやプールの消毒剤などの日用品にも使われる消毒薬です。殺菌する能力が高く他の薬品と比べても比較的安全性の高いのも特徴の1つです。

EDTAとは無機物を溶解する薬剤で機械的清掃を行った時に出る粉塵を溶かします。根管内の粉塵には感染性の物質も含まれていますので根管治療において根管内清掃に適しています。

~水酸化カルシウム製剤~

水酸化カルシウムは根管治療において根管内の細菌を殺菌するのに効果的です。水酸化カルシウムは根っこの先から出る浸出液に対して抑制効果がありそれは水酸化カルシウムが有している殺菌効果や細菌の出す毒素などに抵抗性をもつ効果によるものだと考えられています。

このように根管治療の際は様々な設備、器具、薬剤を使い根管内をきれいにしていき歯を保存します。

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