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ドライマウス(口腔乾燥症)について
こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日はドライマウス(口腔乾燥症)について説明します。
会話やおいしい食事、口腔内を清潔に保つには十分な量の唾液が欠かせません。
唾液腺機能低下により唾液の分泌量が減ってしまったり、運動や発熱で脱水症状になるとドライマウス(口腔乾燥状態)になってしまいます。唾液分泌量の低下を引き起こすものは有名なシェーグレン症候群があります。唾液腺や涙腺などの外分泌腺が特異的に障害される自己免疫疾患です。ドライマウス、ドライアイ(目の乾燥)を主症状とし関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)などの全身性病変を発症します。50歳以降の女性に多く稀な疾患ではないのでドライマウスがある場合はそのような疾患を疑います。
根治的治療法は現在ではなく、ドライマウスに対して塩酸セミメイリン(サリグレン、エボザック)及びピロカルピン塩酸塩(サラジェン錠)が保険適用となっています。
次に頭頸部領域の癌に対して放射線治療が行われた場合、照射野にある小唾液腺、台唾液腺は障害をうけてしまい唾液分泌量が低下し重症のドライマウスになります。また口腔粘膜に照射の影響が及ぶとドライマウスだけでなく放射線性粘膜炎を発症し痛みが顕著になります。これらの症状は照射終了後もしばらく続きます。治療にはピロカルピン塩酸塩(新地円)が保険対応となっています。
またがん化化学療法のほか臨床で頻用される高圧利尿薬、抗ヒスタミン薬、向精神薬(抗うつ薬、精神安定薬、)などもドライマウスを起こすものが多くあります。可能なら他の薬剤への変更で解決していきます。
以上のようなドライマウスの対症療法としてリンスタイプやゼリータイプなど各種粘膜保湿剤が使用されています。また耳下腺、顎下腺、舌下腺のマッサージも効果があります。
心因性の場合は唾液が減少していないのにドライマウスを訴えることが多く、粘膜保湿剤を使用しながら口腔心身症としての治療を進めます。また、糖尿病になると誕生多尿とともにドライマウス(口腔内乾燥症)になり頻繁に水分をとるようになってしまいます。
ドライマウスQ&A
どうしてドライマウスになると虫歯になりやすいのですか?
唾液の分泌量が減って口の中が乾燥すると虫歯菌が流されずに残りますし、大樹の中にある抗菌物質が少なくなるため虫歯菌が増えてしまいます。このような状態が虫歯になりやすくなってしまいます。
ドライマウスとお酒は関係ありますか?
お酒にはアルコールが含有されておりアルコールの利尿作用などで水分をとられてしまいますので口が渇くこともあります。
パンなどの乾燥しているものが食べれないですが口腔乾燥症ですか
パンやビスケットなどの乾燥しているものは食べると口の中がパサついて飲み込めないと言う場合は唾液の分泌量が減少していることが考えられるので検査をする必要があります。
ドライマウスにガムは効果ありますか?
ガムを噛むことによって唾液腺が刺激されますので唾液を出す効果は見込めます。しかし、ガム等を噛んでも唾液が出ない場合はシェーグレン症候群などの疾患も考えられますので検査が必要になってきます。
入れ歯をしていますがドライマウスの治療はした方が良いですか?
唾液が少なくなると入れ歯の吸着が低下することがあります。できればドライマウスの治療した方が入れ歯の調子も良くなりますので治療をするのをお勧めします。