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口の中のがんについて

こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日口の中のがんについて説明いたします。

前がん病変とは

前がん病変とはがんの前兆としてできるものの総称です。名称そのものを見ますと、確かにががんと言う文字が入っています。そのために前がん病変イコールがんなのではないかと考える方も多いかもしれません。しかし、この前がん病変の定義はその時点ではがんではありませんががんに移行する可能性のある病変とされています。要するに前がん病変と呼ばれる病変はがんでは無いのですが、放置するとある一定の割合でがんに変わっていく可能性がある病変と言うことになります。

お口の中の前がん病変の代表には白板症と言うものがあります。一般的に口腔内の粘膜は皮膚のように角質層を作る事は無いのですが、白板症では粘膜の1部に異常が生じて角質層を作るために白い病変として観察されます。
原因としては加齢に伴う唾液の分泌低下から粘膜が萎縮することや、長年のタバコを吸うことに伴う刺激で角質層の形成が異常に更新することなどが考えられています。しかし白板症には種類があり、種類は様々ですので一概に全てががん化するとは言えません。がん化をしやすい白板症かそうでないかはその組織を一部切り取って顕微鏡で細胞の形態を観察する生検と呼ばれる検査が必要になります。これは大学病院ななどで一般的には検査できます。
白板症は白い前がん病変ですが、赤い前がん病変もあり、それは紅板症と呼びます。この紅板症はは白板症より極めて少ない症例ではありますが、がん化比率は非常に高く紅板症そのものを既にがんといってもよいかもしれません。

口腔がん

がんといいますと、胃がんや肺がんをイメージしますが口腔内にもがん発生します。先述しましたように前がん病変を経て口腔がんが発生する可能性があるのはもちろんですが、突如としてがんが発生する場合もあります。もっとも発信頻度の高い部位は舌ですが、頬の粘膜や歯茎、上顎などどの部位にもがんは発生する可能性があります。いわゆる中高年と呼ばれる40代から60代にかけて口腔がんの後発年齢とされてきましたが、近年では平均寿命の延長により高齢者での発症も増加傾向にあります。口腔癌といってもその種類は様々ですが最も多いのは扁平上皮がんと呼ばれるものでこれが口腔癌の約9割を占めます。

口腔がんの治療

口腔がんの治療に特別なものはなく、多く医療機関で3つの治療法が行われています。
その3つとは、手術療法、放射線治療、化学治療法です。

近年は最も根治性の高い治療法は手術療法で切除する方法とされています。

手術療法は文字通り病変を切除する療法ですががんの部分を切除しただけでは充分とは言えない場合もあり、特に首のリンパ線にがんが転移している可能性がある場合には、首のリンパ線を切りとる手術(頸部郭清術)も同時に行わなければならないことがあります。
また切除しなければならない臓器や組織の量が多い場合には、切除後の傷の閉鎖や顔の変形の防止、飲み込みや発音への影響をできるだけ軽減する目的で腕の皮膚や腹部の筋肉、皮膚、足の骨や肩甲骨などをそれらを血管とともに血液の供給を維持し他の臓器として移植する手術が同時に行われる場合もあります。

放射線療法はがんの病巣部に放射線を照射し、がんを段階的に壊死させ、正常組織に置きかえていく治療です。がんまだあまり大きくなく、首のリンパ線への転移もない場合には手術で切除してしまうよりも臓器への影響が少ないためこの放射線治療が選択される場合が多いようです。

放射線治療には放射性物質を含有する針や金属の粒をがんの組織内に埋め込んで照射する組織内照射という方法と、レントゲン撮影のように体の外から放射線を当てる外部照射と言う方法の2つがあります。

化学療法と言うのはいわゆる抗がん剤と呼ばれる薬剤による治療法のことで内服薬や注射等によって投与されます。手術や放射線と違って全身に投与されるので副作用が問題になることがあります。

これら3つの治療法はがんの進行の程度に応じて組み合わせて行われます。