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誤嚥について
こんにちは。世田谷区駒沢の駒沢大学付近にある歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は誤嚥について説明します。
食べ物や液体などが誤って気管に入ってしまうことを「誤嚥」といいます。
一般的には少量でも食物が気管の方を入れればむせ込んでしまって気管から吐き出す反射が起こります。
しかし、喉の感覚が低下してしまっていて、気管にものが入り込んだにもかかわらずむせない場合もあります(むせない誤嚥)。
その場合は喉にものが溜まっているのでかすれた声(嗄声)になったり、痰が急に喉に絡むようになったりします。
むせたり咳き込んだりする事は異物を吐き出そうとする防御危険が働いている証拠でもありますので悪いことではありません。むせてしまった時は慌てないことが大切です。介護をされている方は手のひらをカップ状にして首の付け根あたり(後頸部)や、背中を軽くリズミカルにポンポンポンと音が出るように叩いてむせの介助をしてあげてください。
気管に入ったものが気管を塞ぎ、呼吸ができなくなってしまうような場合が窒息です。窒息を起こした場合は最初は来れそうな声とともに顔が真っ赤になったと、即座に唇が青くなり、動きが止まるような状況になります。
厚生労働省の人口動態統計によれば窒息による死亡者は2005年には9000人から10,000人と報告されており交通事故に匹敵する数になっています。
誤嚥と肺炎
誤嚥をしたら必ず肺炎になるとも限りません。
これは誤嚥物と生体の抵抗力との力関係が問題で、同じものを誤嚥したとしても肺炎になる人もいればなんともない人もいると思います。
実際には誤嚥をすれば何%が肺炎になるかとの判断は困難なものがあります。
それは同じ人であってもその日の体調などによって結果が異なること、肺炎になっても原因菌と考えられる菌が多数存在し、本当に誤嚥から来ているのかどうかの判断がしにくいこと、などによります。現在考えられているご縁性肺炎には3つのタイプがあります。
①食事中の誤嚥物に細菌が含まれることによりそのまま肺炎となるもの
②喉に宿っていた細菌の塊からの分泌物が、食事以外の時、例えば睡眠中に気管へ入り込むことにより肺炎となるもの
③食後にすぐにさせることにより少量の異物内容が逆流しそれをご縁したために肺炎となるもの
があります。
健康な老人を調査すると、肺炎を起こす原因の塊が全体の8%に検出されたのに対し、長時間寝ているような要介護老人では38%に認められたとの報告があります。
また毎食後ブラッシングをした状態を2時間起こしたままにした患者群と、寝たきりのままで過ごした患者群とで100日間の1人平均発熱日数が前者の方は2日減少し後者は逆に6日増加したとの報告もあります。
そこでご縁性肺炎を予防するためには
①食後あるいは昼食前の口腔清掃を徹底すること
②食後すぐににさせず食後2時間位我在下それに近い状態でいること
以上の2点が大事であると考えられます。
ご家庭内での口腔ケアは限界がありますので1ヵ月から3ヶ月位の感覚で最寄りの歯医者にブラッシングなどをしてもらうことをお勧めします。