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服用薬と歯科治療について

こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は服用薬と歯科治療の関係について説明します。

血液がサラサラになる薬(抗血栓薬)

抗血栓薬とは血液を固まりにくくし血栓で血管が詰まるのを防ぐ薬で歯科治療時に出血が止まりにくくなる点に注意が必要です。

狭心症や心筋梗塞の予防をしている方や脳梗塞を起こした骨ことがある方、冠動脈ステント治療を受けたことがある方が服用していることが多いです

歯科の治療では抜歯、インプラント、歯周外科治療、深い歯石の除去などの処置には注意が必要です。

脳梗塞や心筋梗塞を防ぐ抗血栓薬には、血液をサラサラにする作用があるため出血すると血が止まりづらくなる成分が含まれています。歯科治療においては出血する治療も多いので注意が必要となります。だからといって歯科治療のために服用を止めてしまうと血栓ができてしまう恐れがあるため勝手に服用を止めるのは危険です。主治医と連携をとりながら治療をしていきます。

後血栓薬を服用していると出血が止まりにくくなります。血のでる治療のイメージが少ない歯科治療ですが気のでる場面は意外に多くあります。例えば歯石を取って行ったり歯周ポケットの深さを測る時にも歯茎からしばしば出血してしまうことがあります。毎日の歯ブラシで出血することもありますよね。この程度の出血では特に問題はありませんがばしやインプラント手術等地の出る治療が歯科にはいくつもあるのです。しかしほとんどの場合は歯科医院できちんと止血できますので心配しないでください。

歯科治療の時に出血が止まらないと困ると言ってご自身の判断で服用は止めないでください。医科や歯科のガイドラインでは抗血栓薬の服用を続けたまま抜歯を行うよう推奨されています。ワルファリン(バファリン)の服用を中断して抜歯した方の約1%が血栓が原因の発作を起こし、その80%が亡くなったと言う報告もあります。

また手術後に内出血を起こすことがあります。抜歯やインプラント枚入などの手術の場合お口の中で止血できたとしても手術が終わってから肌に内出血を起こして顔や首に青アザができることがあります。内出血の場合は通常1週間から2週間で自然に消えていきます。

骨吸収抑制剤と歯科治療

骨吸収抑制剤とは骨を増やして骨折の予防などに使う薬剤で長期間服用している人は顎骨壊死のリスクが高まります。骨吸収抑制剤は骨訴訟症の予防をしている人や骨ベーチェット病の治療中の方やステロイド治療を受けている方が服用していることが多いです。歯科治療の範囲では抜歯、インプラント、歯根端切除術、歯周外科手術、深い歯石の除去の時等には要注意です。

骨を強くする骨吸収抑制剤は骨粗鬆症の治療に1番よく使われる薬剤です。しかし重大な副作用として顎の骨が壊死する(顎骨壊死)ことがあります。特に抜歯などの外科処置の際は顎骨壊死が引き起こされることが稀にあります。顎骨壊死の予防には話などを外科処置まで至らないように日頃からのメンテナンスをしっかりとして歯の健康を保つことが重要になってきます。

骨吸収抑制剤は顎の骨に集中すると言われています。私たちの体内では常に細胞によって古い骨が吸収されて新しい骨が作られています。骨吸収抑制剤は古い骨を吸収する細胞の働きを抑え骨が吸収されるのを抑制します。その結果骨吸収抑制剤は骨に働きかける薬剤なので飲めば骨に集まってきます。さらにその85%は硬い骨(緻密骨)に集積されると言われており顎の骨はほとんど緻密骨からできていますので顎の骨に高濃度の骨吸収抑制剤が蓄積されることになります。高濃度の骨吸収抑制剤が多量に蓄積されると新しい骨ができにくくなります。さらに新しい血管が作られることも抑制されてしまいますので骨の中の血流が悪くなり骨にできた傷の治癒しづらくなります。出席を取る等の普段の歯科治療の刺激ではあまり心配は入りませんがばしやインプラント等の外科処置で顎の骨に刺激を与えることで顎の骨が壊死してしまうことが稀にあります。

お口の中の細菌が感染することにより傷が治りづらくなります。お口の中には多種多様の細菌が降り抜歯いやインプラントなどの外科処置でできた傷に細菌が感染しますと傷が治らなくなり顎骨壊死を発症しやすい状態となります。

歯茎の状態が悪くなる薬(抗てんかん薬)

抗てんかん薬は脳の興奮を抑えることによりてんかんの発作を防ぐ薬剤です。歯科治療の内容とは関係なくてんかんの発作が起こる可能性を頭に入れる必要があります。てんかんの治療している方が飲んでいることがあります。

抗てんかん薬の中でフェニトインと言う成分の入った薬を長期服用した場合副作用として50%以上の方に歯茎の腫れが見受けられます。歯茎の腫れは慢性的な歯肉炎や歯周病にもつながります。歯茎に刺激が与えられると腫れが起こりやすくなるため予防するには歯石の除去や日々の歯ブラシなどが必須になってきます。

時に歯を覆い尽くすほど歯茎が腫れてしまうことがあります。てんかんの治療に使われる抗てんかん薬の中でもフェニトインを大量に長期服用しているとその副作用として歯茎が腫れることがよく見受けられます。歯茎の腫れは歯と歯の間の歯茎から始まり、歯全体を覆い尽くすまで腫れてしまうことも珍しくありません。

予防には歯石取りとご自身の日々の歯ブラシとメインテナンスが必須です。特に歯石がついていると歯茎への刺激となり歯茎の腫れを誘発しやすくなります。ご自身のブラッシングも大切ですが歯科医院での定期的なメインテナンスで歯石や磨き残しをチェックし歯石を取るなどおうちの中をきれいに保つことが大事です。もし歯茎の腫れが起こってしまった場合は歯ブラシうがい等をしてお口の中を清潔に保ちましょう。場合によっては光てんかん薬の服用を主治医に行って中止をしてもらうか他の種類の光てんかん薬に変えることで腫れが減少することもあります。いずれの場合も生野主治医と相談して自分の判断で薬を止める事はやめましょう。

歯茎の増殖を招く薬(カルシウム拮抗薬)

カルシウム拮抗薬とは血管の壁の収縮を抑えて血管を広げ血圧を下げる薬剤です。高血圧の治療している方や虚血性心疾患の予防をしている方が飲まれています。高血圧症や狭心症心筋梗塞などの治療に使われることが多いカルシウム拮抗薬は血管の壁の色を抑えて血管を広げ血圧を下げる薬剤です。血管が広がる副作用として歯茎の腫れが起こることがあります。血圧の薬を飲んでいる方はどの種類の薬を飲んでいるか歯科医師に伝えることが大事になってきます。血圧を下げたり狭心症や心筋梗塞などの症状を和らげたり症状を改善したりすることを目的として飲んでいる薬剤はありませんか?これらの薬の中でカルシウム拮抗剤と言う種類の薬剤が含まれているお薬は長期使い続けることで歯茎に影響を与えることがあります。血圧を下げる薬の種類は様々ありますがどの種類の薬を飲んでいるかぜひお薬手帳をお見せください。

ご高齢の方や歯周病にかかっている方は特に注意が必要です。カルシウム拮抗薬を長期服用している患者様で歯茎の腫れが起こってしまう方の割合は約20%と言うデータがあります。中でもご年配の方に起こりやすいようです。その理由はそもそもカルシウム拮抗薬が服用されている方の年齢層が高いと言うこともあるのですがご高齢の方は歯周病の罹患率も高いため歯茎に歯周病の細菌が感染しそれが刺激となり炎症が起こりやすいからです。

抗てんかん薬と同様に歯茎の腫れを予防するには歯石取り歯ブラシ定期的なメンテナンスが重要になってきます。もし歯茎の腫れが起こってしまった場合は歯茎を清潔に保ちましょう。症状によっては歯科医師や生野主治医と相談して薬を変更することも必要になってきます。また歯茎の腫れがひどい場合は歯茎を切って取り除く手術を行うこともあります。