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幼児期に起こりやすい口と歯のトラブルについて
こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は幼児期に起こりやすい口と歯のトラブルについて説明します。
①乳歯や永久歯がなかなか生えてこない。
乳歯や永久歯の歯の元(歯胚)は、赤ちゃんが母親のお腹の中にいる時から作られています。乳歯が口の中に生え始めるのは下の前歯が最も早く生後6カ月位です。通常は2本の前歯、1番目の奥歯、犬歯(前から3番目の前歯)の順に生えていき、最も遅い2番目の奥歯が生え始めるのは2歳半ごろです。歯のはえる時期には個人差が大きく、最初の乳歯が入るのは1歳半程度であれば遅いながらも正常の範囲内です。歯のはえる時期が遅れると原因としては、個々の歯胚の位置やでき方の異常により歯のはえる方向やはえる力が阻害されたりあるいは歯を支えている骨(歯槽骨)が分厚くて硬い場合や、外傷による損傷や骨との癒着などがあると歯が生えづらくなります。歯が生えてこない原因を正確に調べるには顎の骨の中で成長している歯胚の状況を歯医者のレントゲンの検査で確認する必要があります。
②歯が生えた位置がおかしい
正常な乳歯の並びは上下とも半円形に近い形をしていますが時として乳歯の位置が正常な形の歯並びの外側にはり出したり、内側に入ってきたり、奥に外れて生えてくることがあります。
この原因としてはもともとの歯胚の位置や方向が正常でないことや歯茎や骨の一部が厚くて硬くなっていたり、あるいは上の唇の中央や頬、舌にみられるヒダが出てしまっていると歯はその部位を避けてはえようとするため正常な位置に並ばないことがあります。
歯を支える土台となる歯槽骨の大きさが他の大きさに比べて小さかったり、小物が歯槽骨の中にある場合もそれらを避けて生えてきてしまうため歯の位置の異常が見られたり、あるい歯がはえてこれず歯槽骨に埋もれたままになることもあります。さらに歯がはえおわってきれいに並んでいても指かんだり、タオルや唇や爪等を噛んだりする癖があると、必要以上の力が加わっては傾いたり歯槽骨におしこまれたりすることがあります。
③歯に隙間がある
幼児期の歯並びには隙間が見られることがあります。人やサルなどの霊長類には特有に現れる歯並びの隙間があり霊長空隙と呼ばれています。上顎では糸切り歯の前に、下顎では糸切り歯の後に現れます。それ以外の隙間は発育空隙と呼ばれ永久歯が生え変わる直前の5歳から6歳まではほとんど変化しないと言われています。乳歯の前歯の大きさはその下から生えてくる永久歯の前歯の大きさより小さいため前歯が捩れたり歯並びからはみ出したりせずに連続性を持って生え変わるため生理的な空隙であるこれらの隙間が役立ちます。反対に隙間がないと永久歯の生え方や歯列に大きな異常を引き起こすこともありますので、この隙間は正常な永久歯の歯並びになるための大事な要素といえます。