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幼児期に起こりやすい口と歯のトラブルにつて②

こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は幼児期に起こりやすい口と歯のトラブルについて説明します。

①歯の数が足りない

乳歯(子供の歯)は上下合わせると20本ありますが、生まれつきの歯の数が足りないことがしばしばあります。このような足りない歯のことを『先天性欠如歯』といい、1本から2本、ときには数本、まれに全く歯が生えてこない場合もあります。人の進化に伴う退化現象とも考えられていますが、はっきりとした事は分かっていません。乳歯の中で比較的多く見られる先天性欠如歯は、上下の歯並びの前から数えて2番目の前歯です。乳歯に先天性欠如私がある場合、高い頻度でその下の永久歯も欠如してしまいます。多数の歯がない場合は歯胚や顎の骨の形成や発育に異常を起こす全身的な疾患が関与していることがあります。対処としては歯が先天的にない部分は、乳歯用の入れ歯を用いることで咀嚼運動や発音機能、並びに審美的な回復を図ります。また日本小児歯科学会の最近の研究結果から永久歯に先天性欠如が認められるお子様が10人に1人の割合でいることが判明しました。

②歯の色がおかしい

乳歯の色は永久歯に比べて白っぽいため変色はすぐにわかることが多いです。

慢性的な虫歯の部分は茶褐色に着色しますし、歯医者で使用される虫歯の進行抑制剤の中には虫歯の部分が黒く変色するものが使われています。またお茶や食べ物等に含まれる色素がプラーク(歯垢)や歯石に浸透すると、歯茎の部分に暗褐色の点状や帯状の着色が見られます。

③歯の形がおかしい

乳幼児期の前歯には癒合歯と呼ばれる2本の歯が融合してしまい1本の歯のようになっているものが時々見られます。2本の歯はもともと生え代わりの時期が違うため、融合があると1本の歯根が吸収しなくなってしまってももう一方の歯根が残ったままになることがあります。こうなるとはえかわりの時期になっても歯根が動かないのでその下にある永久歯の生える方向が曲がったり、ときには生えないこともあります。このため適切な時期に歯医者で抜歯をする必要があります。

乳歯に癒合歯があるとその下の永久歯が不足していることも多いのであらかじめ歯医者でX線検査で確認してもらった方が良いでしょう。

また上顎の前歯の内側に角のように尖った突起があることがあります。これは『基底棘』と呼ばれ、細くなった先まで歯の神経が入り込んでることがあるため、食べ物を噛むときに誤って折れてしまうと神経が露出してしまい神経の治療をしなければならないこともあります。このため簡単に折れないように補強するため、周囲を歯科材料のプラスチックで補強し期間をおいて先端から少しずつ削って行きながら先の部分の神経が象牙質でおおやれ下がっていくのを待ちます。奥歯に見られる形態異常としては噛み合わせの面にあるこう咬頭の数が多かったり、あるいは奥歯の歯根のながさが著しく短い場合などがあります。