駒沢大学駅徒歩5分の歯医者「駒沢歯科・矯正歯科クリニック」

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フッ素でインプラントが腐食する?

こんにちは。世田谷区駒沢の駒沢大学付近にある歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日はフッ素でインプラントが腐食する?について説明します。

チタンがフッ素(フッ化物)に接触すると腐食するとよく言われます。

歯科のインプラントに使われる金属はチタンと言う材料を使用しています。とても優れた金属材料でインプラント治療はこのチタンなしには成立しません。

というのもチタンは金属の中で唯一、骨と結合する性質を持ち合わせています。チタンと骨が結合することを『オステオインテグレーション』とよびます。

人の体は通常、異物が入ってくると免疫反応により排除しようとします。しかし、チタンは顎の骨に埋め込んでも免疫反応により排除されずに、むしろがっちりと骨と結合して自立してくれます。この性質のおかげで今日のインプラント治療が可能になっています。インプラント埋入後も腐食しにくく、生体親和性も高くアレルギーも少なくとても優れた材料です。

ところがチタンにも弱点があります。それはフッ素に触れてしまうと腐食してしまうということです。そして現在売れている歯磨き粉は大抵フッ素が配合されています。それでは市販なので売っている歯磨き粉でインプラントは錆びたり折れたりしてしまうのでしょうか。

どのくらいのフッ素濃度でどれほどチタンが腐食するのかについては研究者が調べた研究結果があります。

日本で歯磨き粉に配合できるフッ素濃度は1500ppm以下と決められていて、これを使用したときに口の中に残るフッ素はごく微量で低濃度です。全く腐食しないわけではないけれども日常的に使用しても問題はないという研究結果があります。

特にチタンが使われているインプラントの部分は人工手根の部分であり顎の骨に埋もれているのでフッ素に直接触れる機会は限定的な上にそういう点から見ても影響は少ないと考えられています。

フッ素を使わず残った歯の虫歯予防が十分でないと新たに虫歯ができてしまい治療が必要になったり将来的にはまたインプラントが必要になってしまう可能性もあります。

いろいろな可能性があるので一概には言えませんが、総合的に考えるとフッ素入りの歯磨き粉は歯周病や虫歯予防のために必要だと思われます。毎日歯ブラシをするときは使うことをおすすめします。

しかし、歯医者で行うフッ素塗布についてはフッ素の濃度が高いため、酸性の塗布剤については使用を控えるのがよいでしょう。

最後に口の中に残る歯磨き粉のフッ素(フッ化物)はごく少量で低濃度です。さらにチタンの人工歯根は骨の中に埋まっているので問題になるほどの影響はないと言われています。残った歯のためにフッ素入りの歯磨き粉を使って行きましょう。

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