こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は歯周病と全身疾患の関係についてご説明いたします。
歯周病と全身疾患については関係があると言う事は明らかになっております。しかしそれぞれの疾患と歯周病との関係についてはまだはっきりとわかっているものとそうではないものがあります。また全身疾患や歯周病の重症度、患者様の年齢、生活習慣、遺伝、体質などによっても異なってきますので、ある病気が歯周病のせいなのかどうかと言うのは実際に歯周病を治療してその病気が改善したかどうかを見てみないと何とも言えません。しかしお口の健康を改善することで全身には良い影響は必ずあるのです。
糖尿病と歯周病の関係
糖尿病とはインスリンの作用が低下して血液中に糖が多くなった(血糖値が高くなった)状態が続く病気で、1型と2型に分類されます。唾液の量が減ったり血液の流れが悪くなったり、免疫力が低下したりします。放置してると様々な器官、臓器に合併症が起こる危険性が高まります。
糖尿病の人は歯周病にかかりやすいことがわかっています。糖尿病の人が重症の歯周病に罹患している場合に糖尿病がコントロールできていない傾向にあることもわかっています。しかし歯周病治療すると糖尿病の検査結果が良くなると言うことについては今の時点ではまだ明らかになっていません。
免疫力が下がっていると歯周病のも抵抗できなくなります。糖尿病によって弱っている体は歯周病の細菌にも抵抗する力も弱くなります。それによって歯周病にかかりやすくなったり歯周病にかかると治りづらくなったり重症化しやすくなります。さらに歯周病の治療が終わった後も歯周病が再発しやすいので油断できません。
糖尿病が引き起こす炎症に歯周病もあります。血糖値の高い状態が続き糖尿病がコントロールされていない状態が続くと体の中のタンパク質と糖が結びつきます。それを白血球が敵とみなし攻撃するのでその結果歯周病も含め全身に炎症が起こりやすくなります。
動物実験のデータによると歯周病が原因で糖尿病にかかりやすくなったり糖尿病を悪化させたりするようなことがあると判明しています。糖尿病と歯周病の両方にかかっている人が多いのは事実です。しかしどちらが原因でどちらが結果なのかはまだはっきりしていません。歯周病の人はその後糖尿病になることが多いのか歯周病を治療して歯周病の状態が良くなったときには糖尿病が良くなるのか調べる必要があります。そのような調査が世界中でまた日本でも行われていますので近いうちにもっとはっきりしたことが言えるようになるでしょう。
歯周病と骨粗鬆症の関係
骨粗鬆症とは骨の密度が低くなっていて軽い衝撃(少し転んだだけ)でも骨折を起こしてしまう病気です。主な原因は加齢により女性ホルモンの影響を受けるため高齢の女性に多く見られる疾患です。命に関わる疾患ではありませんが結果的に要介護になる人も少なくないので注意が必要な病気です。
骨粗鬆症にかかっている人は骨の骨密度が低いことから同年代の人や同じ歯周病を持つ人と比べて歯周病になりやすく悪化しやすい傾向にあります。
骨密度が低いと歯周病が進みやすくなります。歯周病にかかると歯周病の細菌が歯茎に炎症を起こして歯をささえている骨をとかしてしまいます。体の骨と歯を支えている骨の関係を調べた研究データでは大部分が体の骨密度と歯を支える骨が歯周病によって溶かされてしまう程度は関係があると言う結果でした。例えば骨粗相症の人たちと正常な骨密度の人たちを数年間観察したところ骨粗鬆症の人たちの方がはーを支える骨のなくなり方が多かったと言うデータがあります。お口の中に歯周病の細菌がいるかどうかは歯周病が進むかどうかの大きなポイントですが体の骨密度が低い人の方が歯を支える骨が歯周病によりなくなるスピードが速いのです。
歯周病と腎臓の関係
歯周病が慢性腎臓病の原因の1部かもしれないと言われています。主に慢性腎臓病を引き起こす原因は、糖尿病、喫煙、加齢、高血圧、自己免疫性疾患などが挙げられます。しかし現在では1部は歯周病が関係しているかもしれないと言われるようになりました。歯周病の人は血液中に歯周病による炎症物質が増加しています。つまり全身に常に炎症性物質がある状態です。歯周病が改善しない限りその状態が長期続いてしまいます。その状態が腎臓に悪い影響を及ぼしていると考えられるようになりました。
歯周病と動脈硬化
慢性腎臓病と歯周病の両方にかかっている患者さんに歯周病を治療すると歯周病が安定した場合には慢性腎臓病も少し改善したと言うデータもあります。
血液中の炎症性物質の数値が高いと動脈硬化が起こりやすくなります。歯周病の患者さんのお口の中には歯周病による炎症性物質あり、その炎症性物質が全身に存在している状態なので炎症性物質の数値が少し高くなり動脈硬化が起こりやすくなると考えられています。
動脈硬化を起こした血管から歯周病菌細菌が発見されることがあります。動物を使った最新の研究結果では歯周病現金を飲み込むと腸内細菌の構成が変わって朝の壁が弱くなるため全身の臓器に細菌の影響が及ぶと言うことが判明しました。このような結果から歯周病が原因で動脈硬化が起こりやすくなるということがわかります。歯周病を治療したら動脈硬化が減る可能性があると言うわけです。
歯周病と関節リウマチ
関節リウマチの患者様は歯周病に罹患しやすく歯周病が重症になるリスクが高いと言うことが判明しています。それとは逆に歯周病が悪化すると関節リウマチも悪化しやすいと言うこともわかってきています。研究のデータでは関節リウマチと歯周病の両方にかかっている人の歯周病治療したら関節リウマチのデータも改善したと言う報告が多数あります。今までたくさんの研究のデータから関節リウマチにかかっている人は歯周病になるリスクが高いと言われています。その原因は両方とも炎症性の物質が関わっている病気であり共通のリスク因子(喫煙、炎症を起こしやすい体質など)があるためと言われています。その他に関節リウマチになると指が動かしにくくなり歯磨きがしずらくなってしまうことや関節リウマチの薬が免疫反応を抑えることが要因であるかもしれないなどといろいろ要因は考えられます。歯周病が関節リウマチをより進行させてしまう可能性があり歯周病の細菌が持っている酵素が関節リウマチを引き起こす自己抗体を増やす可能性があるからです。
また関節リウマチと歯周病の両方にかかっている患者さんに歯周病の治療を行った研究がありそのほとんどで歯周病治療したら関節リウマチの症状が減少し関節リウマチの検査値が下がったと言うデータもあります。
歯周病と妊娠予後
妊娠中に胎盤や羊水、胎児の体に最近が感染してしまうことがあります。以前からよく言われているのは地図からの細菌が子宮に登ってくる場合です。細菌が感染し炎症が起き、その炎症の刺激で早産のリスクが高まってしまいます。
このような細菌が関係している炎症による早産は歯周病の細菌でも起こる可能性があり、だから歯周病にかかっている妊婦は早産になりやすいのではないかと言うことが盛んに言われ始めました。研究によると歯周病の妊婦は歯周病ではない妊婦よりも7倍も早産になりやすいと言うデータがあります。すなわち妊婦の歯周病は低体重早産に関係があるのです。
また妊婦の歯周病を治療すると早産が減るかと言うような研究が行われた結果妊娠してからの治療では明確な現象は見られませんでした。よって歯周病の治療予防は妊娠する前からするのが効果的というのがわかります。
歯周病は妊娠高血圧腎症にも関係があると言われています。妊娠高血圧とは妊娠20週から分娩52週までに高血圧が見られる場合をいいます。妊娠高血圧腎症とは妊娠高血圧に蛋白尿を伴うものです。原因は妊娠のごく初期に何かしらの原因により胎盤の血管形成に異常が起こるためと言われています。妊娠高血圧腎症は最悪の場合赤ちゃんがなくなることもあります。研究の結果では妊娠高血圧腎症の妊婦はそうでない妊婦に比べて歯茎の中にアグリゲイティバクターアクチノマイセテムコミタンスと言う歯周病を引き落とす細菌の1つが多く検出されたと言う報告があります。
このように歯周病は全身への影響を及ぼすのですが歯周病から全身へもたらす影響は次の3つの経路をたどると考えられています。
1つ目は血液からです。歯周炎の組織から作られた炎症性物質は全身の血液中に入って肝臓等にも入ります。その結果動脈硬化や子宮内の炎症に関わると言われているCRPやフィブリノーゲンなどが生成されます。
2つ目は歯周組織からです。歯周病を引き起こす細菌が直接体内に侵入することもあります。には早産や妊娠高血圧腎症が関連されていると言われています。
3つ目は鳥の壁から送られる経路です。私たちが日々口腔内から飲み込んでいる歯周病の原因になる細菌が腸内細菌の筋層を変化させることがわかりました。その結果鳥の壁の透過性が高まって様々な物質が通り抜けやすくなります。
そして細菌が作り出す毒素が鏡の壁を通り抜けて血液中に入ることによって漸進的炎症を引き起こします。
歯周病は本来はが抜けてしまう病気です。しかしお口の中で起こる歯周病は全身の病気につながっています。お口の健康を保つことで全身の健康に確実につながっていきます。なので歯周病の治療予防は重要になっていきます。歯周病は痛みなど自覚症状が少ないため放置してしまいがちですが歯周病は治療すれば改善できる病気であり全身のことにも深く関わりを持っています。定期的にメンテナンス(定期検診)を受けてお口の健康から全身の健康を保ちましょう。
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