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親知らずの抜歯について

こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は親知らずの抜歯について説明します。

親知らずとは

親知らず(智歯)と言われ、前歯から数えて8番目の歯になり、一般に上下左右に1本ずつ計4本あることが多いです。親知らず、智歯、第3大臼歯とも呼ばれます。生まれつき親知らず(智歯)がない人もおり、必ずしも4本あるとは限りません。親知らず(智歯)がお口の中に入る時期は20歳前後と言われており、早い方では17歳から18歳の高校生時代にお口の中にはえ始める人もいます。

親知らずを抜歯する理由

親知らず(智歯)は歯並びで言うと1番奥に入ってきます。よって、はえるスペースの不足やはえる方向の異常などにより真横や斜めに生えてきたり、骨に1部埋もれたり、大部分が埋もれていて1部は口の中に露出したりしています。特にこの状態は下顎の親知らず(智歯)に多く見られ、この場合はご自身の歯ブラシが届かず不潔になりやすい状態になってしまっていることが多くあります。そうした場合、親知らずの周りが不潔の状態が続きその汚れが原因で親知らずの周りの歯茎が腫れてしまったり(この状態を智歯周囲炎といいます)、親知らずの隣の永久歯が虫歯になってしまったりします。親知らずを抜歯する理由は親知らずがあることによって歯茎が腫れてしまったり隣の歯が虫歯になってしまったりするリスクを低くするためにおこないます。すでに歯茎にお痛みが出ているしまっている場合や隣の歯が虫歯になってしまっている場合は親知らずを抜歯することによって汚れが取れやすくなり歯茎の炎症が消失したり隣の歯の虫歯治療を円滑にできるようにします。

親知らずの抜歯のための麻酔法

親知らずの抜歯のための麻酔法には、表面麻酔法、浸潤麻酔法、伝達麻酔法があります。粘膜に麻酔薬を注射する方法を浸潤麻酔法といいます。また広い範囲に麻酔を行う場合や浸潤麻酔では不十分な効果が期待できない場合などでは伝達麻酔法が行われます。伝達麻酔は下顎の親知らずの抜歯では下顎孔(下顎の骨の内側にある孔)に麻酔薬をきかせます。

親知らずの抜歯に用いる麻酔薬

局所麻酔薬は麻酔剤と血管収縮薬を混合した液体で血管収縮剤が入っていることによります1部の周囲の血管を収縮させ少量の麻酔薬で持続的な効果を得られるようにできています。社会を麻酔薬には塩酸リドカイン麻酔薬(キシロカイン)いや塩酸プロピオカイン麻酔薬(シタネスト)がよく用いられます。また麻酔注射時の痛みを和らげるため、あらかじめアミノ安息香酸エチルなどの表面麻酔薬を粘膜に塗布します。

歯科治療に対して強い恐怖を覚える人も多いものです。また歯科治療そのものに対して恐怖を感じる人も少なくありません。麻酔注射の痛み、抜歯の恐怖や不安による精神的緊張を緩和させる方法には吸入鎮静法と静脈内鎮静法があります。吸入鎮静法は、笑気と酸素の混合ガスを鼻マスクから吸入することにより精神の安定が得られます。また静脈内鎮静法は静脈内に鎮痛薬や向精神薬であるジアゼパム、フルニトラゼパムやミタグラムなどを注射するもので静脈内鎮静法には精神の緊張状態を緩和させる効果があるため不安を解消することができます。リラックス効果とともに大きいのが健忘効果で、抜歯終了後には局所麻酔注射を受けたことも記憶しないことが大半です。これらの方法は歯科恐怖症の人だけでなく嘔吐反射が強い人にも適しています。

親知らずの抜歯をしない方が良い全身の疾患や状態

全身の疾患や状態によっては抜歯時の麻酔、抜歯中、抜歯後の止血等に影響を及ぼすことがあります。

具体的に言うと呼吸器疾患、循環器疾患、消化器系疾患、血液疾患、アレルギー疾患、糖尿病、精神疾患などがあり親知らずの抜歯を避けた方が良い状態として妊娠や月経などの生理的身体状態などがあります。

しかし、これらの場合でも必ず親知らずの抜歯ができないと言うことではなく主治医と打ち合わせして対策を取った上で親知らずを抜歯していくこともあります。

親知らずの抜歯と抗菌剤の服用について

親知らずの抜歯を行うと細菌が傷口から血液中に侵入して一過性に体内を回ります。これを菌血症といいます。通常はその人の持つ免疫力によりこの細菌はまもなく死滅します。しかし、免疫力の低下や生体の感染防御機能が弱い状態では細菌が死滅せず重篤な感染症である敗血症や感染性心内膜炎などを引き起こす可能性があります。また、親知らずの抜歯をきっかけに下顎骨の骨髄炎などの炎症を引き起こすこともあります。したがってこれらを予防するために親知らずの抜歯後に抗菌剤(抗生物質)を投与します。生体の感染防御機能が弱まっている状態とは、疲労、過労、血液疾患、糖尿病、膠原病、抗がん剤投与中、免疫抑制剤や副腎皮質ステロイドホルモン投与中、放射線治療中、および人工透析中などの状態をいいます。したがって、風邪気味、睡眠不足、過労気味、発熱時、糖尿病、膠原病や血液疾患がコントロールされていない時は親知らずの抜歯を避けます。

親知らずの抜歯後には通常、軽度の発熱、全身倦怠感、腫脹(親知らずの抜歯部位の腫れ)及び疼痛などが見られますが、ほとんどが1日から2日で軽減します。しかし、抜歯後3日から4日経過してさらに強い腫脹(異常な腫れ)、開口障害、嚥下痛などが現れた場合には抜歯後の細菌感染症が疑われます。この場合には抗菌剤(抗生物質)の継続服用が必要になり、重篤な場合には抗菌剤の静脈内点滴投与や排膿のための手術が行われます。

親知らずの抜歯と鎮痛剤の服用

親知らずの抜歯後にはほとんどの場合痛みが出ることが多いです。この痛みの原因は親知らずの抜歯の時に粘膜や骨に加わった傷に伴って生じた反応性炎症による痛みですので多くは一時的なものであり鎮痛剤を服用することで収まります。しかし親知らずの抜歯後に細菌感染したときの痛み、内出血による出張のための痛みや、精神的な原因で痛みが出る場合などただ単に親知らずの抜歯後の痛みであっても全て鎮痛剤の服用のみで収まらない場合もあります。また普通の親知らずの抜歯であっても異常な痛みが続く原因として歯の周囲骨や粘膜の損傷、隣の歯の損傷、親知らずの抜歯した部位に骨片や異物が残っている場合などがあります。このような場合は他の薬物療法を併用します例えば細菌に感染している場合には抗菌剤(抗生物質)を服用します。

親知らずの抜歯後に開口障害や嚥下障害(飲み込みにくい)などの症状がある場合には他の抗生物質や鎮痛剤の服用をすることもあります。なお鎮痛剤の種類によっては抗菌剤との併用により重篤な副作用が現れるものがありますので鎮痛剤を自分の判断で服用せずに歯医者または薬剤師と相談することが必要です。

親知らずの抜歯でよくある質問

親知らずの抜歯の前後に注意する事はありますか?

親知らずの抜歯は手術である以上体に負担がかかります。まずは親知らずの場所の前には疲れをためないように氏橋の後には安静を保ちましょう。体が疲れていると体の免疫(抵抗力)が低下し親知らずの抜歯後の炎症の程度が悪化して感染が起こりやすくなる時もあります。さらに抜歯後には安静を保たないと炎症が強く出てしまう場合もあります。体調が万全の状態で橋の前後を過ごすようにしてください。親知らずの抜歯後には流行家飲酒激しい運動などの結構良くする事は避けて下さい。炎症強く指腫れが長時間持続することになってしまいます。また過度なうがいをしてしまうと血の塊がすぐ流れてしまうので治癒を妨げてしまい、ドライソケットと言ってすごく痛い状態が続いてしまいます。

親知らずの抜歯後には歯医者から抗菌薬や鎮痛薬などが処方されます。歯医者の指示に従って適切な量を適切な感覚で服用するようにしましょう。服用量や服薬間隔を自分勝手に変えてしまうと副作用の元となりますのでやめましょう。また薬を処方してもらう際にはご自身が普段常用している薬物の名称を会社に知らせてください。場合によっては併用すると副作用が現れやすいものがあるので注意が必要です。

麻酔が効いてる間は食事をしても大丈夫でしょうか?

麻酔が効いている間にこれを食べてはいけないと言うものは基本的にはありません。しかし、麻酔が効いてしまっているうちは誤って頬を噛んでしまったり、熱いものに気づかず熱いものを口に入れ火傷をしてしまったりしてしまいます。できれば麻酔が切れてから飲食をするのが無難です。

抜歯が怖いのですが何か良い方法は無いのでしょうか?

多くの患者さんにとって親知らずの抜歯は削ることや端を削るためのタービンの音麻酔の注射なると並んで歯科治療の中の恐ろしい治療の代表だと思います。まず大前提となるのは信頼してご自身の抜歯を任せることができる歯医者に診てもらうことだと思います。

しかし、全く不安なく歯医者を受信すると言うのはなかなか難しいことだとは思います。不安は痛みを強くし痛みは不安をさらに増して悪循環になってしまいます。

積極的に親知らずの抜歯などを歯科治療中の恐怖や不安を軽減する方法として精神鎮静法があります。吸入鎮静法は一般の歯科医でも普及しており簡便で安全性の高い方法です。静脈内鎮静法はより強く考えられますが専門的なトレーニングを積んだ歯医者が行うのが安全にあり大学病院や総合病院などで主に行われています。歯学部附属病院には静脈内鎮静法など専門的な診療を行う麻酔医が設置されているのでご相談してみてください。

麻酔の注射で体に悪影響はありませんか?

歯科麻酔の注射によって起こる体の異常に現在かかっている内科的病気の病状悪化、過度の緊張や体調不良の際に起こりやすい不安症状、局所麻酔薬によるアレルギー反応と中毒症状があります。

例えば高血圧症や狭心症、心筋梗塞のある方は注射と言う行為に対する緊張で血圧や脈拍が大きく変動したり、狭心症や心筋梗塞の急性発作を起こす可能性があります。いつも飲んでいるお薬と局所麻酔薬の相互作用で血圧が異常に上がったり逆に下がったりすることもあります。

健康な方でも過度の緊張や体調不良時に行うことで血圧が下がったり吐き気やめまいが生じたり過換気に起こりやすくなります

局所麻酔薬にアレルギー反応を示す方もいます。局所麻酔薬を大量に注射したり血管内に注射すると中毒が起きて全身に異常が見られます

いずれも頻度としては稀です。場合によっては生命を脅かすこともあるので麻酔の注射で体に異常が見られた経験がある方、内科的な病気のある方は歯医者に事前に伝えておいてください。飲んでいるお薬の内容がいつでもわかるようにしてることも重要です。

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