駒沢大学駅徒歩5分の歯医者「駒沢歯科・矯正歯科クリニック」

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高齢期の虫歯(根面う蝕)について

こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は高齢期の虫歯(根面う蝕)について説明します。

高齢期の虫歯(根面う蝕)とは

歳を重ねるにつれ歯茎が下がり、若い頃には見えなかった歯の根っこの部分(歯根)が見えるようになります。歯の歯茎から出ている部分(歯冠部)はエナメル質で覆われており、歯根部では薄いセメント質が象牙質をおおっています。エナメル質と異なり象牙質やセメント質は虫歯(う蝕)になりやすいことが特徴となっています。

根面う蝕とは露出した歯根が虫歯になった状態をいいます。根面う蝕は男性では30代頃から、女性では40代頃から増加し始め、歯がある高齢者の2割位の方に根面う蝕が認められると言うデータがあります。歯茎が下がった歯に対する研究では上顎では前歯、下顎では奥歯に根面う蝕ができやすいと言うデータがあります。

根面う蝕には虫歯が進行していく進行性の虫歯と進行が停止している停止性の虫歯があります。進行性の虫歯は黄色あるいは明るい褐色で歯垢やプラークに覆われ、歯質が柔らかくなっています。停止性の虫歯は黒色で表面はなめらかで歯質は固い状態になっています。

根面う蝕の要因

根面う蝕のリスクファクターには歯茎が加齢により下がってしまうこと(歯根面の露出)、根面う蝕の既往、歯周病、唾液の分泌量が減少してしまう口腔乾燥症、口腔清掃状態、入れ歯の装着、砂糖の摂取などが挙げられています。

歯茎が下がること(歯肉退縮)により歯根が出しますが、歯肉退縮が起きてしまう最大の要因は歯周病です。歯周病が重度であるほど、治療後の歯根露出が多くなり、根面う蝕のリスクが高くなります。高齢者では加齢や常用している薬の副作用により唾液の分泌量が減少する傾向があります。唾液が減少してしまうと虫歯になるリスクが上がってしまいます。また高齢者では入れ歯を装着している人が多くなりますので、入れ歯の装着により口腔内が汚れやすくなり虫歯のリスクが高くなります。もちろん根面う蝕のリスクも高くなります。

根面う蝕の予防

まず虫歯予防の基本は歯ブラシによる歯垢除去、フッ化物の応用、お菓子や甘い飲料の摂取回数の減少や栄養バランスのとれた規則正しい食生活、定期検診での歯医者でのクリーニングです。定期的に歯医者を受診することがお口の中の健康維持には欠かせません。歯科医師や衛生士により口腔内の状況や生活習慣等の評価を受け適切な予防法を選択することが大事になってきます。基本的には根面の露出を起こす歯肉退縮を予防することと、露出した根面を虫歯にさせないことが大切になってきます。歯肉退縮の原因は加齢による歯肉退縮、歯周病、歯ブラシの圧のかけすぎ、噛み合わせの異常などです。とりわけ、歯肉退縮を起こす最大の要因である歯周病の予防が最も効果的です。歯肉退縮や歯周病の予防のためにも適切なブラッシング方法を身に付ける必要がありますので歯医者にいき歯ブラシの適切な方法を身に付ける必要があります。露出した根面の虫歯予防に予防の強化、口腔清掃、唾液分泌の改善、正しい食生活、歯医者での定期検診などが大切です。フッ化物には歯を強化する作用、再石灰化促進、菌の酸産生抑制という働きがあり、歯と虫歯の原因菌の両方に働きかけ虫歯を予防してくれます。フッ化物配合の歯磨き粉の使用とフッ化物による洗口が自宅でおこなえます。フッ化物配合の歯磨き粉の使用は多くの人に受け入れられやすい方法ではありますが、フッ化物の効果的な使用方法については歯科医師や衛生士から指導を受けることが必要です。虫歯のリスクが高い方には歯科医師や衛生士によるフッ化物の歯面塗布が推奨されています。頻繁に甘いお菓子などを摂取にしている人や口腔乾燥症を気にしてキャンディーをなめている人に根面う蝕が多発することがよくあります。砂糖含む食品を頻繁に摂取するまた口の中に長時間含むと虫歯の原因となる菌が酸を酸性しやすくなる状況とその酸に歯が触れている時間が長くなってしまいますので、虫歯になりやすくなってしまいます。お菓子などの間食の回数が多い人に虫歯が多いと言うデータもあります。虫歯の原因にならないキシリトールなどの甘味料を使用した食品が推奨されています。

根面う蝕の治療

虫歯で失った歯が浅い場合にはフッ化物を用いて再石灰化を試みることが推奨されています。虫歯により歯質の失われた部分が大きい場合には虫歯を除去しコンポジットレジン(歯科用レジン)やグラスアイオノマーセメントを用いて修復処置が効果的です。根面は虫歯菌が産生する酸に対する抵抗性が低く、部位的に修復処置が容易ではないことが多いので治療後にも歯医者での定期検診や適切なブラッシングが大切です。

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