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ハチミツを使った口腔ケアとは
こんにちは。世田谷区駒沢の駒沢大学付近にある歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。
今日は「ハチミツを使った口腔ケア」について説明します。
近年、介護施設で「ハチミツ」を使った口腔ケアが活躍してるようです。以前寝たきり患者さんの多い病院で、ハチミツには殺菌、保湿効果があると聞き、ハチミツを用いた口腔ケアを実践したところ、効果を実感したとの報告がありました。介護が必要な方は、唾液が少なくなることで口の中が乾燥していたり、汚れやすくなっていたりします。 口内が乾燥すると、唾液による殺菌作用が減り、雑菌が繁殖して口臭などにつながります。
その点、ハチミツには強い殺菌力と保湿効果があるので、口の中を潤し、口臭の予防・改善に役立つのです。
ちなみに、ハチミツの殺菌効果を得るには、天然で純粋のハチミツを選ぶのがポイントです。また、ハチミツは40度以上になると酵素やビタミンが死んでしまうため、非加熱もしくは低温加熱のものを選ぶとよいでしょう。
ハチミツを使った口腔ケアのやり方ですが、ティースプーン1杯程度のハチミツを、使い捨て手袋をはめた指につけ、歯ぐき、舌、上あご、内ほほなどにぬり広げていきます。
本当は10~15秒くらい口の中にとどめておくといいのですが、大抵はすぐに舐めたり飲み込んだりしてしまうようです。それでも口が潤い口臭が緩和するなど、効果は十分に感じられています。
口腔ケアを行っているのは、口臭ある人が中心です。ハチミツにはタンパク質を溶かす性質があるので舐めるだけで余分な舌苔を溶かすことができます。舌苔とは、食べカスや細菌、 古くなった粘膜などが舌についた垢のようなものです。 高齢者の場合、舌苔の細菌が肺に入ると肺炎を引き起こす危 険があるため、舌苔ケアは重要です。
ある90代の女性は体調を崩して入院後、当施設に帰ってきたときは、舌苔で舌が真っ白になっていました。そこでハチミツを使った口腔ケアを行ったところ、徐々に舌がきれいになって行ったと言います。 舌苔が取れると味覚も戻るようで、食事量が増えて、それに伴い体もみるみる元気になって行ったそうです。ハチミツの舌苔への効果は、早い人でも2~3週間はかかる印象です。一方、口臭には即効性があります。ハチミツをぬった翌日は、皆さんの口臭が気になりません。ぬった日とぬらない日では明らかに違いがわかるくらい効果は歴然です。
ある80代の男性は胃ろうで、口腔ケアをしようとすると口を固くつむんでしまい、有効な口腔ケアがなかなかできていませんでした。そのため、まずハチミツをぬって口を潤すようにしたところ、口内を傷つけずにケアができるようになったそうです。
通常の口腔ケアをした後に再度ハチミツをぬっておくと、口臭もなくなり、口の中がとてもきれいな状態になります。ハチミツは、安全なうえ刺激が少ない点でも、高齢者の口腔ケアに最適です。
ハチミツを使った口腔ケアを行っている人はカゼをほとんど引かないそうです。
ハチミツには虫歯や歯周病予防、口内炎の予防・改善効果もあるようです。口のトラブルを予防するセルフケアとして、ハチミツを使った口腔ケアは、高齢者に限らず、どなたにもお勧めです。ハチミツを口の中にぬるときは、手をきれいに洗ってから行いましょう。 スプーンで口の中に入れ、舌で口腔内にぬり広げてもよいと思います。
また、ハチミツは虫歯予防にもなるようです。ハチミツの持つ殺菌作用は、口の中の菌の増殖を抑えてくれます。特に、夜寝ている間は、口の中は乾燥気味になり、唾液が少なくなってしまいます。唾液が少ないと虫歯菌は戦う敵が少なくなってしまうので、虫歯になりやすくなります。
ハチミツを寝る前に口の中で広げると、保湿・殺菌効果で夜の虫歯菌の活動を抑えることができます。是非お試し下さい。