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歯周病と噛む力との関係について

こんにちは。世田谷区駒沢の歯医者、駒沢歯科・矯正歯科クリニックです。今日は歯周病と噛む力との関係について説明します。

一般的に歯周病が進行すると歯を支える組織が破壊されるので、歯の揺れが大きくなり、噛む力が低下し食べ物が噛みにくくなります。歯周病の進行によって歯周病にかかった歯の噛む力がどのように変化するのかを調べた研究データがあります。30代の約160名の患者さんの歯周病にかかっている歯を支えている骨(歯槽骨)の吸収の程度によって4つのグループに分けました。

①歯槽骨の吸収が歯根(歯の根っこの部分)の長さの4分の1以内(歯周病軽症郡)のグループ

②歯槽骨の吸収が歯根の長さの4分の1以上2分の1以内(歯周病中等症郡)

③歯槽骨の吸収が歯根の長さの2分の1以上4分の3以内(歯周病重症群)

④歯槽骨の吸収が歯根の長さの4分の3以上(歯周病極悪郡)

この4グループに分けて、それぞれの歯の噛む力を調べ、歯周病にかかっていない正常な歯(正常群)と比べてみました。それぞれの歯別の噛む力はいずれの歯についても

正常のグループ〉歯周病が軽症のグループ〉歯周病が中等症のグループ〉歯周病が重症のグループ〉歯周病が極悪のグループ

の順番でした。歯周病にかかったグループの中でも各歯別に見た噛む力に差が見られました。

顎や歯によって多少の違いがありますが、正常群の噛む力と比べると、歯周病が軽症のグループでは約4%から20%、歯周病が中等症のグループでは約25%から50%、歯周病が重症のグループでは50%から70%、歯周病が極悪のグループになると約80%から90%の低下が見られました。

このことから歯周病が進行して歯を支える歯槽骨が吸収されると、どの歯についても噛む力が低下すると言う結果となりました。別の研究データでは正常な歯別にみた噛む力は、第二大臼歯で22.25キログラム、第一大臼歯で14.43キログラム、第二小臼歯で4.72キログラム、第一小臼歯で3.44キログラムでした。歯周病にかかっている歯の噛む力の順序は正常な場合と変わらなかったのですが歯周病が進行すると噛む力が低下すると報告されています。

それでは歯周病治療を行うと食べ物を噛む効率(咀嚼能率)はどのように変わっていくのでしょうか。米を使って咀嚼能率を調べた研究データでも歯周病が進むと低下することが示されました。プラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニング、噛み合わせの調整、歯周外科手術などの歯周病治療を行うと咀嚼能率は歯周治療後、平均で34%増加し重症例では治療前の平均が48%であったのが平均81%と増加しました。ブラッシング指導、スケーリング、ルートプレーニングによってプラグを取り除き、揺れてしまっている歯どうしで連結して補強するなどの歯周病の基本治療のみでも、歯肉の炎症が改善されると噛む力や咀嚼能率が改善され、調和のとれた組み合わせになることが示されています。その結果噛む力や咀嚼能力と言うのは回復していきます。